ツナガルデザイン、音響防音構造が米国特許取得で防音マンション市場をリード

音響防音構造の誕生

防音マンションの業界で注目を集めているのが、ツナガルデザイン株式会社が開発した「音響防音構造」です。この独自の技術は、音や振動を効果的に抑えるため、免振ゴム上のコンクリート浮床と、壁面に配置された吸音層や反射層を組み合わせて設計されています。この構造により、入居者が好む音環境を簡単に調整できることが最大の特徴です。2022年には日本国内で特許を取得し、その成果が2025年にはアメリカでさらに評価されたことが大きなニュースとなりました。

特許の背景

集合住宅やスタジオの防音対策は従来から行われてきましたが、楽器演奏に不向きな物件も少なくありませんでした。また、入居者の好みや家具配置によって、音響の最適化が難しいという問題も抱えていました。そこで、ツナガルデザインは、音響の調整が経験的に可能な「音響防音構造」を開発しました。この取り組みによって、防音マンションの入居者が自分好みの居住空間を実現できるよう工夫がされています。

音響防音構造とは？

音響防音構造は、コンクリート浮床と鉄骨フレームを基にした防振防音構造体を採用し、壁面の素材や配置にこだわった工法です。この技術では、空間の音響特性を最適化するために、専用の遮音ボードや有孔ボードを使用。これにより、音の反射や吸音がスムーズに行えるため、クリアな音環境を実現します。

新たなサービスの展開

ツナガルデザインは、音響防音構造に関する技術ライセンスの供与を計画しています。この新サービスは、防音マンション市場が急成長を遂げる中、他のデベロッパーが高収益で高付加価値な物件を開発するための一助となることを目的としています。特に、音響性能を求められる楽器演奏やホームシアターの利用には最適な技術として期待されています。

市場の成長と課題

現在、防音マンション市場は急速に拡大しています。ツナガルデザインの「サウンドプルーフ」シリーズは入居率が100％に達し、入居待ちの登録者数も700名を超えています。しかし、防音マンションの開発には高い初期投資や防音性能の確保といった課題が残ります。この問題を乗り越えるために、ツナガルデザインはその技術を広く提供することで、業界全体の底上げを図ろうとしています。

音響防音構造の利点

ツナガルデザインの「音響防音構造」は、入居者に数多くのメリットをもたらします。
1. 高い遮音性能: 500Hzにおける遮音性能の目標値は90dB。従来の技術では達成できなかった音環境を実現。
2. 競争力の強化: 賃料設定が周囲の賃料相場の約1.3到1.5倍に可能で、利回り向上が期待されます。
3. 入居者の声に応じた音環境の調整が容易: 着脱式パネルを使用することで、施工後も簡単に音質や遮音性を調整できます。

実際の物件例

2024年2月に完成した「サウンドプルーフシアター学芸大学」では、音響防音構造が導入されています。この物件は、防音性や音響性能を兼ね備え、住居としての機能性を保ちながら、プライベートシアターとしての利用も可能です。全戸で109dBを超える遮音性能を有しているため、自宅で映画やゲームを高い臨場感で楽しむことができます。
さらに、マンションのデザイン性も高く、アクセス良好な位置にあります。音響防音構造による利便性は、多くの住人に愛されています。