鳴子の米プロジェクト20年の歩み
昨年、鳴子の米プロジェクトは20周年を迎え、地域の農を守り、食の大切さを伝える活動を続けてきました。宮城県大崎市の鳴子温泉地域で展開されているこのプロジェクトは、地域の農と食、さらには人々の暮らしを守るための取り組みです。
鳴子温泉地域の歴史
鳴子温泉地域には、約1200年前から開湯されてきた温泉があります。多様な泉質を持つことで知られ、一時は毎年200万人が訪れる人気スポットでしたが、今では観光客の数が激減。農業を辞める農家も増えている現状が、地域の風景や文化にも影響を与えています。そこで立ち上げられたのが鳴子の米プロジェクトです。
農と食を結ぶ活動
鳴子の米プロジェクトでは、農家と消費者が直接交流を持てる機会を増やし、互いに信頼関係を築いてきました。具体的には、地域支持型農業(CSA)を通じて、消費者が事前に米を予約購入するシステムが導入されています。これにより、農家も安心して米作りに取り組むことができ、一つ一つの作物に丹精を込めて育てています。
新品種「ゆきむすび」の誕生
2007年には、「東北181号」という品種を基にした新品種「ゆきむすび」が生まれました。これは、寒冷地でも育ちやすい特性を持ち、うるち米ともち米の中間の性質を持つ低アミロース米です。この米は、甘味や粘り気もあり、特におむすびや弁当として食べるのに適しています。
鳴子の米プロジェクトのおむすび屋「むすびや」
鳴子の米プロジェクトでは、地元の女性たちが作る約100種のおむすびをイベント会場などで振る舞ってきました。2009年にオープンした「むすびや」では、鳴子の季節の食材を活かしたおむすびを提供しており、観光客にもその魅力を伝えています。また、東京都にある「おむすび権米衛立川店」でも、「ゆきむすび」を使用したおむすびが楽しめます。
交流会で信頼を深める
春と秋には、田植えや稲刈りの交流会を通じて、農作業を体験し、農家と消費者が一緒に作業する機会が設けられています。このような交流を通じ、参加者は食の大切さや農業への理解を深めていくのです。
書籍『つながるごはん』の出版
令和の時代における米の重要性と、消費者と農家のつながりについて考察した書籍「つながるごはん」が、2025年12月10日に発売されます。この本は、プロジェクトに参加した多くの実践者たちの経験をまとめており、農と食のつながりを再認識させてくれる内容となっています。
新米「ゆきむすび」の販売
書冊の発売を記念して、新米「ゆきむすび」の販売も行います。通常よりも取り扱いやすい2合袋で書店で販売し、米プロジェクトの活動をより多くの人に知っていただけるきっかけになればと願っています。これにより、私たち食べ手が農家や田んぼとのつながりを考える時間を持つことができるでしょう。販売は12月10日から、東京都および宮城県の一部書店で開始される予定です。日々の食事を通じて、地域の農業を支えていくことの重要性を感じてみてはいかがでしょうか?