「Galette de riz (avant cuisson)」リサイタルの試み
2026年9月20日、東京都墨田区の両国門天ホールで開催されるトラヴェルソ奏者・築城玲子のリサイタル「Ricercareプロジェクト #02〈Galette de riz (avant cuisson)〉」は、独奏(ソロ)音楽の新たな形を模索する実験的な公演です。本シリーズは、作曲家・山本和智への新作委嘱初演を中心に、ルネサンスから現代までの無伴奏フルート作品を、伝統に縛られずに提示することを目指しています。
過去からの脱却──築城玲子のアプローチ
築城玲子はこれまで、Historically Informed Performance(時代考証に基づく演奏)を重視し、古楽を中心とした演奏活動を展開してきました。彼女の活動のスタイルは、特定の歴史的時代や様式に依存した解釈が特徴ですが、最近ではその枠を超えた理念に目を向けるようになりました。最近の彼女の探求は、演奏そのものを実験の場と捉え、音楽とは何かを再考する試みです。
シリーズ「Ricercareプロジェクト」は、単なる音楽の演奏だけでなく、演奏行為そのものを新しい視点から分析し直す企画です。今回の公演は、その第二回目にあたり、これまでの活動を踏まえつつ、無伴奏における新しい音楽の可能性を探る意義が高まっています。
「Galette de riz」の意味とプログラム
公演タイトル「Galette de riz (avant cuisson)」は、山本和智による新作「フラウトトラヴェルソソロのための『餅【加熱前】』」に由来しています。この作品は、音楽の創造における実験の象徴であり、実体を持たない可能性の世界への招待です。この新作初演は、独奏の新たな形式と音楽の想像力についての問いを提起します。
また、プログラムには福田拓人の『トラヴェルソのためのコントラクション』をはじめ、様々な時代の無伴奏作品が並びます。具体的には、テレマンの『無伴奏フルートのための12のファンタジア』、ヤコブ・ファン・エイクの『イギリスのナイチンゲール』、ドビュッシーの『シリンクス』、ヴァスクスの『鳥たちのいる風景』などが含まれています。
この公演は、約400年にわたる音楽の歴史を行き来しながら、演奏される楽器の多様性も大きな特徴です。ルネサンス・フルートやトラヴェルソ、モダンフルートといった異なる時代の楽器が使用され、それにより楽曲と楽器との新たな関係性が探索されます。
聴衆との対話
今回のコンサートでは、演奏のみにとどまらず、築城自身による解説の時間も設けられています。聴衆は、無伴奏や独奏というテーマについて共に考える機会を得られるでしょう。音楽を超えた歴史や社会的背景、そして自らの解釈についての意見を共有することができ、参加者の理解を深めることにつながります。
開催概要
- - 公演名:築城玲子 Ricercareプロジェクト #02『Galette de riz (avant cuisson)`
- - 日時:2026年9月20日(日)14:00開演(13:30開場)
- - 会場:両国門天ホール(東京都墨田区両国1-3-9 ムラサワビル1階)
- - 出演:築城玲子(トラヴェルソ/フルート)
- - 料金:一般 3,500円/学生(25歳以下)2,000円(当日券:一般4,000円)
- - 定員:50名(予約制)
築城玲子が音楽の新境地を切り拓くこの試みは、アートと社会との新たなつながりを生み出す貴重な機会です。音楽を通じた対話を楽しむこのリサイタルをお見逃しなく。