坂田靖子の新たな一歩、探偵と会計士のデコボコバディ
日本の漫画界で独自の世界を築き上げてきた坂田靖子。その代表作には、イギリスを舞台にした心温まる物語『バジル氏の優雅な生活』がありますが、彼女の最新作『一応探偵局』もまた異彩を放っています。3月17日に発売される第3巻は、心を解きほぐすウィットに富んだ探偵バディの物語が完結を迎えます。
物語の中心、デコボコバディ
『一応探偵局』は、その名の通り、探偵のマクスと会計士のジョージが奮闘するコミックです。いわゆる商売っ気のないマクスは、様々な依頼を無邪気にこなしていきます。その一方で、生真面目なジョージは、お金の計算を厳密に行う真面目なキャラクターです。この2人のバディは、依頼内容には奇妙なものばかりが持ち込まれますが、それすらも彼らの活動を彩る要素となっています。
奇妙な依頼が持つ意味
マクスが受ける依頼は、必ずしも費用が支払われるわけではありません。時には、小さな子供や、さまよえる老若男女の依頼も含まれており、彼らの心の垣根をほぐす役割を果たしています。マクスの基本的な性格は人懐っこく、彼は“問題解決”を試みることで依頼者の心に寄り添おうとします。その姿勢が、読者に優しさを与え、物語をより豊かなものにしているのです。
マクスの内なる葛藤
だが一方、マクスは自身の人間関係に対して、どこか距離を持つ傾向がありました。幼少期の不思議な体験が彼に影響を与え、それが彼に猜疑心を抱かせていました。しかし、そんな彼の心の変化をもたらす出来事が、最終章で訪れます。意外にも彼を無邪気に受け入れてくれる人物が近くにいたことから、彼の心が解きほぐされていく様子が描かれています。
最終巻への期待
第3巻では、マクスとジョージの関係がどのように変わっていくのか、そしてマクスが心を許す存在がどのように影響を与えるのか、心温まるラストエピソードが展開されるでしょう。読者はこの最終巻を通じて、さまざまな感情が交錯したストーリーを体験し、単なる探偵物語を超えた作品として楽しむことができるのです。
コミックスの魅力は、多彩なキャラクターと共にあるストーリーの広がりです。あなたもマクスとジョージのデコボコバディを通じて、心温まる冒険をお楽しみください。
書誌データ
- - 書名: 『一応探偵局』3巻
- - 著者: 坂田靖子
- - 発売日: 2025年3月17日
- - 定価: 792円(税込)
- - 判型: B6判
- - 発行元: 双葉社
- - レーベル: ジュールコミックス
完結を迎える『一応探偵局』は、探偵物語を愛するすべての人々に、この3月に新たな感動を与えることでしょう。