楽曲管理システム「KENDRIX」の進化
日本音楽著作権協会(JASRAC)が、音楽クリエイターに向けた楽曲情報管理システム「KENDRIX」の機能を充実させ、特に注目すべきは新たに搭載された分配率届出機能です。このアップデートは、2025年8月5日に実施されました。
新機能の内容
新たに追加されたのは、創作の寄与度に応じた分配率を設定する届出機能です。これにより、JASRACと信託契約を結んでいる音楽クリエイターは、KENDRIXに登録した作品情報と著作者情報に基づいて、作品届を作成してJASRACに提出できるようになります。
分配率の原則
分配率は原則として、詞と曲がある場合にその二つを均等に分割します。また、各区分に複数の著作者が存在する場合は、それら著作者間でも均等に分割される仕組みです。これによって、創作の公平な評価がなされることを目的としています。
創作の寄与度に基づく分配率
さらに、創作の寄与度に応じた、均等分割ではない分配率を設定することもできます。この設定は、関係する著作者間での合意を経て行われるもので、代表者が届け出る必要があります。ただし、均等分割のルールに従う場合は、この条件が適用されることはありません。
JASRACと信託契約の条件
新機能は、特定の条件を満たす著作者のみが利用可能です。具体的には、JASRACとの信託契約を締結し、「ビジネス+」アカウントを持つユーザー、そして対象楽曲のプロジェクトメンバーである必要があります。これらの要件をクリアすることで、効率的に分配率の届出を行えるようになります。
音楽クリエイターを支援するKENDRIXの意義
「KENDRIX」は、音楽クリエイターが安心して作品を発表し、適正な対価を受け取るためのプラットフォームです。JASRACは、このシステムを通じて、クリエイターの活動をサポートし、音楽の創作を革新することを目指しています。
これまでの音楽制作は、多くの手続きを伴い、クリエイターにとっては非常に複雑でした。しかし、KENDRIXのプロジェクト機能やコメント機能により、当事者間の合意形成が効率的に進んでいます。これにより、今後の音楽クリエイションのスタイルが多様化すると期待されます。
JASRACのこれまでの歩みと未来
日本音楽著作権協会、通称JASRACは1939年に設立されて以来、85年以上にわたり音楽著作権の管理を行ってきました。音楽文化の振興に向けた努力を続けながら、著作権のプロフェッショナルとしての役割を担い、業界を支えてきたのです。
新機能を搭載したKENDRIXは、今後もクリエイターとともに進化し続けることでしょう。音楽の未来を共に切り拓いていくことに期待が寄せられています。KENDRIXにぜひ参加し、音楽制作の新時代に踏み出しましょう。