2025年のAI動画活用が進化、広告業界に変革の風を吹かせる
株式会社博報堂DYホールディングスから生まれた、AIを駆使した広告クリエイティブを提供する株式会社ZETTAI WORKSが、2025年度のAI動画活用に関するレポートを発表しました。これによると、同社は営業黒字化を達成し、300件を超えるAI動画制作実績を上げています。このレポートでは、AI動画の活用における構造的変化とその意義について詳しく掘り下げられています。
AI動画活用の三つの変化
1. 発注主体の変化
2025年以降、AI動画を導入する主体が変わっています。これまでは技術の検証や情報収集を目的としていた部門が、事業の成果やKPIを意識する部門に移行しています。AI動画はもはや試作品として扱われるのではなく、情報を整理し、視聴者に理解させるための重要なコミュニケーション手段となりつつあります。特に金融、不動産、ITサービス、小売業などの分野で顕著です。
2. プロジェクト構造の変化
さらに、2025年度にはAI動画が小規模な検証素材ではなく、広告キャンペーンの中核を担うケースが増えてきました。制作費だけでなく、AI動画が果たす役割やプロジェクトの期間が重要視されています。この進展により、AI動画が「実験に使うもの」から「確かな成果を見込める作品」へと位置付けが大きく変わっています。
3. 制作時間と業務配分の変化
AIの導入により制作工程の効率が大幅に改善されています。従来は作業にかかる時間が長かったものが、AIの活用によって大幅に短縮され、その時間がクリエイティブの質を高めるための新たな提案や議論に使われるようになりました。この効率化により、1つのコンセプト映像の制作にかかる時間が約6週間から1週間に短縮されたケースもあるとのことです。
結論
これらの変化は、具体的なプロジェクトの例にとどまらず、業界全体への構造的な転換を示しています。ZETTAI WORKSは、設立から1年で営業黒字化を達成した背景に、AI動画が広告制作に完全に根付いたことがあるとしています。
今後は、AIを活用した広告クリエイティブ技術がさらなる領域、特にIP創出などにも応用される予定です。広告制作の上流工程からAIと連携し、これまで形にできなかった企画を実現へと導く新たな試みが期待されています。これまでの分析とデータは速報値ですが、今後、さらなる詳細な調査が行われ、完成版のレポートが公表される見込みです。