90年代R&Bの魅力を振り返るエッセイ集『松尾潔のメロウな記憶』が登場

90年代R&Bのリアルを再発見

音楽界において、90年代のR&Bは特別な時代でした。この音楽ジャンルが持つ深い魅力を掘り起こし、再評価するエッセイ集『松尾潔のメロウな記憶』が、2025年11月21日に発売されます。著者の松尾潔氏は、この分野の権威として広く知られ、音楽制作、プロデューサーとしてのキャリアも持つ人物です。

厳選されたエッセイとインタビュー

本書には、主に90年代に執筆された雑誌の連載や特集記事を中心としたエッセイが収められており、当時の流行歌やアーティスト同士の関係性についての考察が展開されます。時代の潮流を扱う中で、人気アーティストの情報やプロデューサー、A&Rの存在についても深掘りされ、その探求の姿勢は読者に新たな見解をもたらします。

特に、件のインタビュー部分は注目に値します。松尾氏はジェイムズ・ブラウンからジャネット・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストンなど多種多様なアーティストとの貴重なやりとりを通じて、90年代の音楽シーンを肌で感じた若き日の経験を語ります。

ノスタルジックな冒険

さらに、巻末には「アトランタ美メロ紀行」と題された特別な章があり、2000年に井上三太と共に行ったアトランタの旅行記が綴られています。この章では、スマートフォンが普及する前の世代ならではの珍道中が描かれ、ノスタルジックな魅力が漂います。

松尾潔プロフィール

松尾潔氏は1968年福岡市に生まれ、早稲田大学在学中にR&Bジャーナリストとしての道を歩み始めました。彼は「ニュージャックスウィング」を日本に紹介した経験を持ち、海外での豊富な取材活動を展開。音楽制作においても、数々のヒット曲を世に送り出し、日本の音楽界での地位を築き上げました。

その中でも、代表的なアーティストとしてはSPEEDや宇多田ヒカル、平井堅などが挙げられます。彼の手がけた楽曲の累計セールスは3000万枚を超え、数々の賞も受賞しています。2010年から放送されていたNHK-FMのR&Bプログラム「松尾潔のメロウな夜」は2024年に放送終了し、本書はその後初めての音楽本となることが期待されています。

交流を通じた学び

音楽は人と人をつなげる力があり、松尾氏のエッセイからは、その力を再確認できます。90年代の音楽シーンとアーティストたちとの交流を通じて、当時の息吹を感じながら、次の時代への架け橋を築くための情報を提供する本書は、音楽ファンにとっても貴重な一冊となるでしょう。

リットーミュージックから発売される『松尾潔のメロウな記憶』は、R&Bの深い世界を再発見するための重要な資料となることが間違いありません。ぜひ手に取って、90年代のR&Bのリアルに触れてみてください。