佐々井秀嶺師の挑戦
2025-12-12 16:54:37

インド仏教の復興に向けた佐々井秀嶺師の意義ある足跡と新著の発表

佐々井秀嶺師の挑戦と新著『闘う菩薩道』の意義



最近、日本人のインド仏教指導者である佐々井秀嶺師の新著『闘う菩薩道:我が使命いまだ尽きず』がサンガ新社から刊行され、話題となっています。本書は彼の半生を描いた初の単行本であり、インド仏教の復興に向けた活動やその背景を深く掘り下げています。佐々井師は、インドにおけるカースト制度の差別と闘いながら約1億人の仏教徒を指導し続けている重要な人物です。

佐々井師の歴史的背景とカースト差別


インドのカースト制度は、紀元前16世紀のアーリア人の侵入により形成されました。この制度は、イギリス植民地時代にさらに強化され、最近の1950年に発効したインド共和国憲法によっても未だに解消されていない深刻な問題です。特に不可触民と呼ばれる人々は、全インド人口の約16.6%を占めており、厳しい差別と戦い続けています。

アンベードカルと仏教復興運動


不可触民の解放に取り組んだのは、ビームラーオ・アンベードカル博士であり、彼は自身が不可触民出身であることを背景に、仏教を救済の道として選びました。1956年に行ったナグプールでの大改宗式は、数十万人のヒンドゥー教徒が仏教に改宗した歴史的な瞬間です。この大改宗式は、現在も毎年開催されており、不可触民の救済の象徴として続いています。

佐々井師の革新と活動


この大改宗式の精神を受け継ぐ佐々井秀嶺師は、2003年にはインド政府のマイノリティコミッションの仏教代表に就任し、政策の場でも活動を行いました。彼が日本に登場したのは、2004年に放映されたフジテレビのドキュメンタリー番組『男一代菩薩道』であり、その姿は多くの人々に感銘を与えました。インドでの彼の活動を知ることで、より深い感動が生まれた人も多いことでしょう。

『闘う菩薩道』の多面的な魅力


本書『闘う菩薩道』では、佐々井師の生い立ちから、仏教との出会い、インドに渡る決意、さらには不可触民解放のための壮絶な活動を詳細に綴っています。彼が経験した苦悩や、仏教徒としての使命感が読者に強いメッセージを伝えます。この本は、ただの自伝ではなく、日本の仏教界にも影響を与える重要な資料ともいえるでしょう。

さらなる理解に向けた道


佐々井秀嶺師の活動とメッセージは、現代の仏教のあり方を考えさせるものです。彼の新著は、インドにおける仏教復興の現状や、不可触民の解放運動の意義を知るための貴重な資料であることは間違いありません。

まとめ


2025年12月に発行される『闘う菩薩道:我が使命いまだ尽きず』は、今後のインド仏教の発展を象徴する書籍として、期待を集めています。佐々井秀嶺師の情熱と実践が詰まったこの一冊を通じて、私たちも彼の活動に参加し、理解を深める一助となることができれば幸いです。仏教が提供する平等の理念は、今こそ私たちが真剣に考えるべきテーマなのです。


画像1

画像2

関連リンク

サードペディア百科事典: 佐々井秀嶺 インド仏教 サンガ新社

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。