近年、文化庁の調査結果によると、日本国内での大人の読書離れが顕著になっています。2024年度の調査では、電子書籍を含む本を月に1冊も読まない人が62.6%に達し、過去最高の数字を記録しました。
このような状況にもかかわらず、オシロ株式会社が提供するオンラインコミュニティプラットフォーム「OSIRO」を利用する人々の間で、読書会として知られるブッククラブの開催数は逆に増加傾向にあります。本記事では、ブッククラブの増加の理由やその魅力を深掘りしていきます。
ブッククラブの現状
OSIROを介して行われるブッククラブの開催数は、2021年には333回だったのが、2024年には612回に達し、約1.8倍の増加を見せています。この要因の一つとして、新たに設立された読書系コミュニティが増えてきたことが挙げられます。
特に、オンラインでの開催が可能な環境が整ったことで、地域や年齢を問わず、多くの人々が参加できるようになったのです。さらに、読書に特化したコミュニティだけでなく、さまざまなテーマのコミュニティでもブッククラブが積極的に行われています。
増加の理由とその魅力
1.
読書体験の変化: 従来は個人の活動として捉えられていた読書ですが、ブッククラブでは他者と感想を分かち合うことで、より深い理解や共感が生まれます。選書や会話を通じて、読書は単なる知的活動から人との関係を育む場へと変わります。
2.
読書習慣の促進: 定期的な集まりに参加することで、自然と「読み終えなければ」という意識が芽生え、積ん読を解消するきっかけにもなります。仲間と共に進めることで、普段の読書習慣が醸成されやすくなります。
3.
理解を深める手段: 同じ本を読み、感じたことを語り合うことで、互いの価値観や思考を理解する良い機会が提供されます。意見の交わりは、新たな視点を生むきっかけにもなります。
4.
交流の促進: 読書を通じて異なる世代や性別を超えた対話が生まれやすく、各参加者は貴重な視点を得ることができます。これにより、さまざまな人々とのつながりを作ることが可能です。
具体的なコミュニティの取り組み
OSIROを利用した中で最も多くブッククラブの開催数が報告されているのは「猫町倶楽部」です。ここでは、地域を越えた参加者が集まり、定期的に海外ユーザー向けの読書会も開催しています。その他にも、「Book Community Liber」や「flier book labo」など、多様なテーマを持つコミュニティがブッククラブを運営し、数多くのイベントを開催しています。
総括
文化庁の調査が示す通り、全体の読書人口は減少していますが、OSIROのプラットフォームを通じたブッククラブは確かな成長を見せています。このトレンドは、単に本を読むだけでなく、他者とそれを分かち合うことで得られる様々な体験によって促進されているのです。
今後も、オンラインコミュニティでの交流を通じて、読書の楽しみが広がることに期待が寄せられています。