2025年5月2日、KADOKAWAより発売予定の『大学入試辻孝宗のロジカル古文読解』は、関西屈指の進学校、西大和学園の名物教師・辻孝宗氏が提唱する古文の新しい読解法を徹底的に解説した一冊です。この書籍は、特に現代の大学入試における古文の出題傾向の変化に対応するために重要な指針を示しています。
古文の読み方を再定義
これまでの古文の学習法は、「文法を覚え、単語を暗記してなんとか読む」スタイルが中心でした。しかし、共通テストなどの新しい入試では、単体の文法知識のみに依存するだけでは高得点を狙うことができません。出題傾向が“思考型読解”にシフトし、文全体の構造理解や登場人物の心情を読み解く力が重視されています。受験生たちはこの変化に困惑し、従来の古典的な学習法にとどまってしまうケースが多かったのです。
本書では、そうした受験生をサポートするため、古文を論理的に読み解くための「読み方」を明示しています。辻氏の授業スタイルを再現し、段階的に古文の読解力が向上するように設計されています。以下にその主な内容を紹介します。
本書の特徴
- - 全体の流れを把握: センター試験型と共通テスト型の問題を通じた考え方を身につけます。
- - 登場人物の特定: 主体や客体を明確に把握し、本文を読み解くスピードを向上させます。
- - 文法の活用: 文法は道具であり、ただ単に覚えるのではなく、古文を読み解く武器として位置付けます。
- - 心情の読み解き: 和歌や記述問題を通じ、特に東大や京大といった難関大学に向けた心情の読み解き方を学びます。
- - 実践的な演習: 問題演習や解答例を通じて、思考プロセスを具体的に理解します。
書籍の章構成
本書は以下のような章構成になっています。
1.
概論: 古文の入試問題における高得点を狙うための考え方を学びます。
2.
テクニック編(第2章~第4章): 読解面および文法面で必要なテクニックを個別解説し、練習問題を通じて理解を深めます。
3.
実践演習(第5章): これまで学んだ考え方とテクニックを用い、具体的な問題演習を行います。
このように、本書は読者に古文の新しい魅力を伝え、実際の試験に役立つ実用的な知識を提供します。解説について理解を深めながら、「読む力」を伸ばす手応えを実感できることでしょう。
辻孝宗氏のメッセージ
著者の辻氏は、「古文を読むことは、昔の人の心の動きを追体験すること」とコメントしています。論理的に古文を読み解くことで、そこに込められた優しさや感情に気付くことができ、入試対策の枠を超えた学びが得られると考えています。
この一冊を手に取ることで、古文がただの試験科目から、人生においても大きな意味を持つ学問へと変わることを期待しています。受験生のみならず、古文の面白さを再発見したい方にも、非常に有益な内容が詰まっています。