国立映画アーカイブでは、映画監督中川信夫の生誕120年を祝う特集企画「生誕120年 映画監督 中川信夫」を2025年5月13日(火)から7月6日(日)まで開催します。この特集は、彼の幅広い映画作品を網羅するもので、過去最大規模の回顧として期待されており、国際放映株式会社や酒豆忌実行委員会の協力のもと実現しました。
中川信夫(1905-1984)の映画人生は、彼の人生そのものであり、制約を嫌った彼の独自の視点から、社会の様々な側面を描きました。本特集では、助監督時代の貴重な作品や初のトーキー映画、戦前・戦後の名作、さらには遺作でもある「怪異談 生きてゐる小平次」の上映も予定されています。
特に注目すべきは、彼の代表作として知られる『東海道四谷怪談』のニュープリントが上映される点です。最新の技術を用いて、従来の版では再現できなかった特殊効果が生かされるため、作品の魅力を新たな形で体感できるでしょう。また、全体のプログラム構成の約3分の1にあたる18作品がニュープリントとして上映されます。
中川監督の作品は「怪談映画の巨匠」として知られていますが、実際の作品群はその枠を超え、多様なジャンルを含んでいます。喜劇映画、文芸映画、社会派ドラマ、果ては歌謡映画まで、彼が手掛けた作品は多彩で、娯楽性も豊かです。観客がいつまでも彼の作品に魅了され続ける理由がここにあります。
上映される作品は、助監督時代の代表作『懷古二十五年 草に祈る』、そして彼の独特な世界観が詰まった『馬車物語』や『人形佐七捕物帳』シリーズを含む、計59本に及ぶ充実のラインナップです。その中には、敢えて声を発しない美や青春を描いた作品もあり、幅広い層の観客を打ちのめすことでしょう。
開催中には、ゲストを招いたトークイベントも予定しており、映画界の貴重な話を聞くことが出来る貴重な機会です。中川信夫監督の作品を通して、彼がなぜ特別な存在であり続けるのか、その魅力に触れてみてください。
映画ファンにとって見逃せないこの特集では、観客自身が中川信夫の映画世界に浸り、新しい発見を得られることでしょう。お好きな作品を是非、大スクリーンで体験してみてください。詳細は国立映画アーカイブの公式サイトで確認できます。