第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の結果発表
2023年4月15日(火)、ホテルニューオータニ「紀尾井 なだ万」にて、待望の第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の選考が行われました。今回は303作品もの応募があり、その中から最終候補に選ばれた4作品が選考委員の手により評価されました。
大賞受賞作
大賞を受賞したのは、福井県出身の綿原芹(わたはらせり)さんによる作品「うたかたの娘」です。この作品には、金田一耕助像と共に賞金300万円が贈られます。物語の中では、不気味な人物に導かれて出会った女性が語る人魚伝説と、過去の高校時代の思い出が交差します。人魚の肉を食べることで美しく変化した女子生徒の秘密は、どのように物語を紡いでいくのか、興味深い展開が待っているようです。
優秀賞
優秀賞に関しては、該当作なしという結果が発表されました。これにより、大賞に選ばれた作品の価値が一層際立つ結果となりました。
読者賞とカクヨム賞
特に注目したいのは、読者賞を受賞した雨宮酔(あまみやすい)さんの「夢に棲みつくもの」です。精神科医が患者から語られる不気味な夢に翻弄される様子は、多くの読者に共感を呼びました。モニター審査員による支持を受けたこの作品は、今後の展開が楽しみです。また、カクヨム賞も同じく綿原芹さんの作品「うたかたの娘」が受賞。これはWeb小説サイト「カクヨム」上で公開された作品が対象となっており、オンラインの人気も反映された結果と言えるでしょう。
今後の展開
受賞作の贈呈式および祝賀パーティーは、2025年11月に東京で開催される予定です。この際、横溝正史ミステリ&ホラー大賞の他に、山田風太郎賞や小説 野性時代 新人賞の合同発表も行われる見込みです。
また、大賞作品は2025年秋に株式会社KADOKAWAから単行本として刊行されることが決まっています。読者賞受賞作は文庫本の形での発売も予定されており、今から待ち遠しいですね。
横溝正史ミステリ&ホラー大賞について
この賞は、長い歴史を持つ「横溝正史ミステリ大賞」と「日本ホラー小説大賞」という二つの優れた文学賞を統合したもので、2018年に設立されました。広義のミステリやホラー小説を対象としており、年齢やプロアマを問わずに作品を募集しています。横溝正史氏の名を冠するこの賞は、新たな才能の発見を目的とし、エンターテインメント性溢れる作品を期待させます。
今後ますます目が離せない第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞、今後の文学界に与える影響も含め、目が離せません。