ベニシアの愛したハーブ&スパイス料理
2025年12月17日に刊行される『ベニシアの愛したハーブ&スパイス料理』は、京都の大原で築100年の古民家に暮らしながら手作りの生活を楽しんだベニシアさんと、その夫である梶山正さんの心温まる思い出の詰まった一冊です。この本では、彼女が生前愛してやまなかった様々なハーブやスパイスを使った料理のレシピが紹介され、二人の絆が描かれています。
自然の中で育まれた料理の数々
ベニシアさんが大原の自然豊かな環境の中で育てたハーブをふんだんに用い、各国の料理を通じて彼女の思い出を語る本書。特に印象的なのは、旅行先で味わったイギリス料理を始めとする、異国情緒あふれるレシピの数々です。正さん自身の手も加えられたこれらの料理は、単なるレシピ集に留まらず、愛する人と共に過ごした日々を振り返るための「絆の料理集」と言えるでしょう。
たとえば、コーニッシュ・パスティやフィッシュ・アンド・チップスといったイギリスの伝統料理が掲載され、加えて彼が新婚時代に作っていたというカルパッチョなども収められています。これらの料理は、単なる味を超えて、二人の歴史を感じさせる要素が盛り込まれています。食を通じて織り成される思い出の数々は、読み手に温かさを伝えてくれるでしょう。
経験豊富な梶山正氏の料理の深みに迫る
著者である梶山正氏は、京都の調理学校を卒業した後、料理店を経営するかたわら、写真や執筆活動に従事してきました。彼が手掛けるレシピは、食材の調理法だけでなく、そこに込められた思いや歴史、食文化についても深く考えられています。料理はただの食事ではなく、それぞれの背景や物語を語ってくれる重要なコミュニケーション手段です。
彼はこう語っています。「何かしなくてはと焦りを感じながらも、料理を通じてベニシアとの関係を再び感じられた」と。
料理を楽しむ文化の再発見
本書を通して、読者は料理をただ「作る」ものとして捉えるのではなく、「感じ取る」「思い出す」手段として捉えることができるようになります。さまざまな国の料理を楽しみながら、各国の食文化や料理の背後にある歴史についても学べる点が魅力的です。753ページにわたり、ハーブが描く色彩豊かな料理は、料理をする楽しさを再認識させてくれることでしょう。
出版記念インスタライブも予定
また、発売日当日には、山と溪谷社が運営する公式インスタグラムにて、ベニシアさんの庭や古民家の公開、料理本の中からの一品再現などを紹介するインスタライブが行われる予定です。リモートで参加できるこのイベントは、本書の魅力をさらに深める絶好の機会です。
結びに
『ベニシアの愛したハーブ&スパイス料理』は、料理だけでなく、愛する人との出会いや別れ、思い出を詰め込んだ心の作品です。皆さんもこの本を手に取って、ベニシアさんの世界を感じ、ご自身の思い出を料理と共に巡る旅に出かけてみてはいかがでしょう。