ピアノと共に愛を運ぶ移動スーパーの夫婦の物語

2025年12月13日、テレビ大阪で放送されるドキュメンタリー番組「ドキュメンタリー7」では、特異性のある移動スーパー「移動商店とらピ」を営む桃玄（とうげん）義成さんとその妻の真実さんにスポットを当てます。この番組は、過疎の町で人々を支え合う夫婦の活動の様子を描いています。

亀岡市は、京都府に位置し、約30%の住民が65歳以上という高齢化が進む地域。ここでは、手軽に買い物できるスーパーまで30分以上の距離があるため、義成さんと真実さんの登場は、地域のお年寄りにとっての光明となっています。「移動スーパー」としての役割だけでなく、真実さんのプロのピアニストとしての技術も、買い物の楽しさを増幅させています。

夫婦の出会いと活動の始まり

義成さんは2020年に京都に引っ越し、その際に私生活での苦悩を抱えていました。辛い日々の中で、真実さんとの出会いが彼の人生を変えることになります。彼女の温かい人柄とピアノの音色に励まされ、義成さんは再び立ち上がることができました。この経験を通じて、二人は「移動スーパー」と「ピアノ生演奏」という独自の活動を始めました。

地域とのつながりをつくる取り組み

移動スーパーはただの買い物だけでなく、地域の人々が集まるコミュニティの場としての役割も果たしています。公園や集会所での活動はもちろん、外出が難しい住民の自宅まで足を運ぶこともあります。そして、介護施設での音楽会も開催するなど、その活動は多岐にわたります。

「とらピ」では、ピアノの生演奏が特徴であり、これにより多くの人々が足を運びます。ただ、真実さんの妊娠に伴い、夏の暑さでトラックを動かすことが難しくなる場面もありました。生演奏がない間、義成さんはどうにかして客を呼ぶために試行錯誤を続けています。

地域からの支援と夫婦の願い

そんな奮闘する姿が評価され、地元の中学校から職業体験の講演依頼が舞い込みます。ここで義成さんは、手助けが必要な人に寄り添う心の大切さを生徒たちに伝え、感動を呼び起こしました。このような活動を通じて、少しずつ支援の輪が広がっていき、亀岡市からの援助にもつながります。

番組の放送後には、真実さんが地域のお祭りに参加し、地元の人々と生演奏を披露する場面も見逃せません。彼女が抱える不安も明らかにされますが、その後も美しい音色は地域に小さな幸せを届け続けます。

このドキュメンタリーは、義成さんと真実さんの愛にあふれた物語を通し、人々とのつながりの大切さを考えさせてくれる作品です。小さな幸せを運ぶ彼らの姿は、視聴者に感動を与えることでしょう。