『過疎ビジネス』が描く地方の現実
2025年7月17日、著者横山勲が手掛けた新著『過疎ビジネス』が集英社新書から発売されます。この書籍は、地方創生を掲げながらも、実態は公金を食い物にするビジネスが蔓延する現状に迫る内容となっています。福島県のある町での「企業版ふるさと納税」を使った不可解な取り組みや、それに続く一連の問題を通じて、著者が見出した真実は衝撃的です。
過疎ビジネスの現実
著者は、過疎化が進む地域において、企業が公金を利用して行うビジネスモデルの実態を解明します。取材先は福島県国見町や宮城県亘理町、さらに北海道むかわ町など、多岐にわたります。これらの地域において、限界を迎えた役場が企業に丸投げした施策から生じるリスクと、その責任逃れの実態が次々と明らかになります。著者は、「地方創生」という言葉の裏に潜む問題を浮き彫りにし、じかに影響を受ける住民たちの視点を大切にします。
各章の内容
第一章 疑惑の救急車
この章では、地域住民が抱える不安を取り上げ、救急医療に関わる疑惑を考察します。
第二章 集中報道の舞台裏
メディアが報道する過疎ビジネスの真実に迫り、取材の裏側を語ります。
第三章 録音データの衝撃
実際の録音データに基づいて、どれほどの問題が隠されていたのかを洗い出します。
第四章 創生しない地方
地方創生の名の下に行われる施策の実態を厳しく問う章です。
第五章 雑魚と呼ばれた議員たち
地域の議員たちが抱える葛藤や苦悩を描き出します。
第六章 官民連携の落とし穴
官民連携がもたらす落とし穴の深さを掘り下げ、具体的な事例を交えます。
第七章 自治の行方
最終章では、今後の自治体の行く先を考えさせる内容になっています。
著者の経歴
横山勲は河北新報の記者として、地方の実情を丹念に取材し続けてきました。青森県出身で、河北新報社入社後、さまざまな地域での報道を経て、現在の職務に就いています。特に、原発事故や地方の問題に関する取材・執筆では数々の受賞歴もあり、信頼されるジャーナリストの一人です。
まとめ
『過疎ビジネス』は、今の地方における大きな問題を考えるための必読の書となること間違いありません。著者の鋭い視点と豊かな取材から生まれたこの作品は、単なる地方創生の表面的な語りではなく、深い洞察を持った真の問題提起を行っています。公開されるのは2025年7月17日、待ち望んでいた一冊です。ぜひ手に取って、過疎の現状と向き合ってみてください。