社会学の新たな知見を紹介する『完全版 社会学入門』の全容とは
2025年10月24日にNHK出版から発刊される『完全版 社会学入門資本主義と〈近代〉を捉えなおす』が、社会学の新しい一歩を提示します。この書籍は、初めて社会学に触れる方にも理解しやすいよう工夫されており、数々の学問と比較を通じて、社会学の本質を優しく解説しています。
書籍の背景と特徴
NHKブックスシリーズは、その創刊から半世紀以上の歴史を誇り、常に第一線で活動する研究者が一般に向けて書かれた教育書のシリーズです。今回の『完全版 社会学入門』は、長年にわたりロングセラーとして親しまれてきたタイトルの最新バージョンとして、多くの知見を盛り込み、さらに深みを増しています。著者は明治学院大学の教授である稲葉振一郎氏。彼は、社会倫理学を専攻し、社会学についての多くの著書を執筆してきました。
パワーアップした内容
この完全版では、初版の内容を基に、新たな章や補講が追加されています。たとえば、社會学理論の意義や対象についての考察、近代における社会学の位置づけ、そして多様化する現代社会における社会学の可能性等、多岐にわたるテーマが扱われています。特に、資本主義という大きなテーマに焦点を当て、さまざまな視点から議論を展開している点が特徴です。
各章の魅力
この書籍は全12章と補講から構成されており、各章は魅力的な内容であることが常です。第一講では、「理論はなぜ必要か」という問いを立て、共通理論の欠如が社会学に与える影響について考察します。また、第三講では「方法論的全体主義」というアプローチが取り上げられ、社会学の多様な方法論が浮き彫りになります。
第四講では、「社会学は何を対象にするか」という問いを立て、社会の多様性について触れています。著者は、社会学が日常の様々な現象をどのように捉え、分析していくのかを掘り下げています。
次に、近代の自己意識についての再検討が行われる章では、社会学の前史を探ると同時に、進化論やモダニズムの精神についての重要性もくわしく解説されます。特に、デュルケムやウェーバーといった先人たちの考察を通じて、社会学がどのように誕生したのか、そしてその後どのように発展してきたのかを深く理解することができます。
現代社会における社会学の意義
さらに、最後の章では、資本主義や格差、差別、ナショナリズムといった現代の問題が扱われ、社会学が果たすべき役割を問い直しています。これにより、読者は現代社会が抱える課題をどのように理解し、分析するかを考える刺激を得ることができるでしょう。
読書案内と読者へのメッセージ
また、書籍には初学者向けの読書案内も付いており、社会学に対する興味をさらに深める手助けとなります。稲葉氏は、社会学は学問の一部であり、様々な視点を持つことでより豊かな理解が得られることを伝えています。彼は、社会学を学ぶことで私たち自身や社会をどうにかして理解し、より良い未来を模索する助けとなることを願っています。
この新たな『完全版 社会学入門』は、学問の全貌を把握したい方、または社会学を初めて学ぶ方にとって、貴重な一書となるでしょう。ぜひ手に取って、社会学の深い海に潜り込んでみてはいかがでしょうか。