P&Gとマクドナルドを牽引した営業マンの知恵、科学的営業ノウハウが詰まった一冊

営業職に携わるすべてのビジネスパーソンに朗報です。2月18日に発売された『営業戦略大全世界レベルの利益体質をつくる科学的ノウハウ』は、宮下建治氏の豊富な経験を基にした営業ノウハウが詰まった一冊です。著者は、P&Gジャパンの営業本部長や日本マクドナルドの執行役員などを歴任し、40年間にわたり営業の第一線で活躍してきました。

科学的な営業への転換

宮下氏は、日本の営業が依然として「得意先に売る」ことに偏重している現状を懸念し、今こそ「科学的営業」へシフトするべきだと訴えています。この評価の背景には、P&Gジャパンが売上を10倍にした成功例があります。それは、単なる商品販売を超え、マーケティング思考を営業戦略の中心に据えた結果なのです。著書では、P&Gの独自の流通体系や卸店との強固な関係構築の具体例が詳しく解説されています。

この「科学的営業」とは、流通パートナーと戦略的に協力し、お客様に新たな価値を提供することが求められる時代を反映しています。平成の日本では、営業担当者が商品を売るだけでなく、顧客価値の創造や共感の形成が重要視されています。

営業スキルの進化

本書では、目次によって構成された章立てに従い、営業コミュニケーション力を高めるための具体的な話法や、交渉において気をつけるべきポイントが紹介されています。例えば、「つながる、伝わる、営業スキル」というテーマでは、顧客とのつながりを深めるための具体的な方法が提示されています。

また、P&Gを成功に導いた秘訣の一つである「代理店の絞り込み」についても重視されています。この取り組みは、より質の高い営業成果を上げるための鍵となったのです。さらに、価格戦略に関しても、「値下げ」に頼ることなく、どのようにして顧客を維持しながら価格を引き上げるかという実践的なノウハウが詳述されています。

新たな営業組織のモデル

営業組織の再構築についても触れられており、「新時代の営業組織」として、現場を後方支援する新たなアプローチが提案されています。これは、メンバーの成長を促し、より効率的な営業活動を可能にするための重要な視点です。

宮下建治氏のキャリア

著者の宮下建治氏は、1985年に慶應義塾大学商学部を卒業後、P&Gに入社。以来、日用雑貨から化粧品、医薬品まで多岐にわたる営業活動に従事し、数多くのプロジェクトをリードしてきました。また、2007年からは日本マクドナルドにも参加し、効果的な営業戦略を確立しました。2023年には、自ら企業を設立し、さらなる経営コンサルティングに努めています。

このような豊かな経験から生まれたノウハウは、営業職に携わるすべての方々にとって、見逃せない一冊となるでしょう。『営業戦略大全』を通じて、営業の新たな可能性を探ってみてはいかがでしょうか。