三崎亜記の最新作『みしらぬ国戦争』がついに登場!
三崎亜記が20年の作家活動を振り返り、原点とも言えるテーマである「戦争」を扱った新作小説『みしらぬ国戦争』が、2025年3月17日に発売されます。彼女のデビュー作『となり町戦争』との対になる作品であり、さらなる想像力をかきたてる内容となっています。
この物語の舞台は、国名も位置も不明な架空の隣接国家〈U.N.C〉による侵略を受けた国です。この国は、すでに2年間にわたる「交戦状態」にあり、戦争に対する人々の関心は薄れ、数字だけで伝えられる戦況を、まるでテレビゲームのように遠い世界の出来事として感じるようになっています。キャラクターの一人、ユイもその中の一人で、彼女にとっての「日常」は海岸の漂着物を確認するという徴集業務です。
ユイの心に決めた目的は、両親の形見に刻まれた謎の文字の正体を明らかにし、幼い頃に失った大切な記憶を取り戻すことです。物語の中で、ユイはその文字が記された漂着物を集めている男性や、同じ言語の歌を歌う女性との出会いを通じて、次第にその秘密に迫っていきます。
作中のテーマは、見えないものに隠れた真実を探ることです。三崎さん自身のエッセイの中でも、「この作品は、ある意味で現代版の「裸の王様」の物語」と語っています。ただ裸なのは貴族ではなく、真実を見ようとしない私たち自身なのではないでしょうか。
物語の深みと主題
『みしらぬ国戦争』は、単なる物語の一部ではなく、現代社会における「見えない戦争2.0」を鋭く描き出しています。デジタル化が進み、情報が瞬時に広がる現代において、戦争やその影響は目に見えにくいものとして存在しています。三崎亜記は、このリアルでありながら幻想的な設定を通じて、私たちに深く考えさせる物語を提供しています。
書誌情報
この新作の詳細は以下の通りです。
- - 発売日:2025年3月17日(月)
- - 定価:1,980円 (本体1,800円+税)
- - 頁数:280頁
- - 版型:四六判並製単行本
- - 装画:jyari
- - 装丁:青柳奈美
- - ISBN:9784041149447
- - 発行元:株式会社KADOKAWA
- - 書誌情報ページ:こちら
この作品を通じて、三崎亜記の独自の作風や世界観を存分に体感してください。本作『みしらぬ国戦争』を読むことで、我々が現在直面している問題の本質を理解する手助けとなるでしょう。陶酔させられる言葉の数々を、一人でも多くの人に楽しんでもらえますように。