共同で子どもの「いのちを守る力」を育てる教材開発
近年、災害時の子どもたちの安全を確保するための教育が重要視されています。NPO法人減災教育普及協会は、神奈川県横浜市を拠点に、子どもたちの「いのちを守る力」を育むための新しい教材の共同開発を募集中です。この取り組みは、単なる防災教育の域を超え、子どもたちが主体的に判断し行動できる力を育成することを目的としています。
減災教育の重要性
従来の防災教育では、「指示を守る」や「約束を守る」といった基本的なルールを重視してきましたが、実際の緊急時には、それだけでは十分に対応できないことが多いと指摘されています。特に、災害の特性や状況は予測不可能であるため、定義された行動だけでは柔軟に対応できないケースも危惧されています。そこで、「いのちを守る力」が重要視されているのです。この力は、子どもたちがリスクを察知し、自ら考え行動するための能力を育むものです。
新しい教材の開発
NPO法人減災教育普及協会では、最新の知見に基づいた「いのちを守る力」を育成する教育を推進しています。特に、「フェーズフリー」の考え方を取り入れ、普段の生活で使っているものが災害時にも活用できる教材の開発を目指しています。これは問題解決能力を育むため、子どもたちが日常的に接する教材をベースにしたものです。
減災紙芝居『がたぐら』と防災マット『YURETA』
これまでの取り組みの一環で、減災紙芝居「がたぐら」や、地震体験マット「YURETA」を開発し、全国の保育・幼児教育施設で高く評価されています。「がたぐら」は、子どもたちがどのような行動を取るべきかを示し、「なぜそうする必要があるのか」をストーリーを通じて伝えます。これにより、子どもたちが自分で考え行動する力を育てることができるのです。
「YURETA」は、実際の揺れを体験することで、子どもたちが被害を受ける実態を具体的に理解し、どのように行動すべきかを身につけます。このような教材は、全国の保育施設で体験会を通じてその効果が実証され、多くのpositive feedbackを得ています。
メディアの注目と社会的関心
NPO法人減災教育普及協会は、これまで多くのメディアに取り上げられ、報道を通じて減災教育の重要性が広まっています。特に、日本テレビの情報番組で取り上げられたことで、社会的な関心が高まり、教育現場でも導入が進んでいます。これらの教材や活動がメディアに注目されることで、より多くの施設での導入が期待されています。
研修と連携の呼びかけ
協会は、絵本や紙芝居の出版社、知育玩具や体験型おもちゃメーカー、映像制作会社、アプリ開発企業など、さまざまな企業との連携を希望しています。最新の減災知識と実践的な対策を教材に織り込むことで、教育現場や家庭で効果を発揮する教材の開発を一緒に進めたいと考えています。
未来のために
NPO法人減災教育普及協会は、「いのちを守る力を育てる」視点を通じて、災害に強い社会の実現を目指しています。毎日の学びが緊急時に活きるための基盤を育んでいくことが重要です。日常的に取り組める教育を通じて、子どもたちが災害時にも自ら判断し行動できる力を持つ人材へと育てることが私たちの究極の目標です。